[01 / LEYDA-MONO] · ST.26 / 20
#5 脚注機関
#5 脚注機関
冠が消え、脚注と礼だけが残るとき、人は跪いていることに気づかない。
ジューストピア再生紀抄・儀礼付記
脚注表1
帝都中心部方面・市外環トラム帯 第三停留所(帝都北縁停留所から市電で四十分)
停留所は石畳の島型で、幅二メートル、長さ十五メートル。屋根はない。レールは東西に走る。掲示板が一枚あり、時刻表が貼られていたが、現在は時刻表の上に脚注が貼り重ねられている。掲示板の面積のうち、時刻表が占める割合は約二割。残り八割が脚注。
規格の暫定採択から百四十日が経っていた。再審期限の百八十日まで四十日。
市電は脚注で動いていた。時刻表——本文——は掲示板の下層に残っているが、その上に脚注⑫『遅延は祈祷に準ず』が貼られている。脚注⑫によれば、市電の遅延は運行障害ではなく、車内で祈祷が継続していることの証左である。祈祷が完了すれば発車する。祈祷の完了時刻は個人差がある。個人差は制度の緩衝材として最適だ2。
車掌は時刻表を読まない。脚注を読む。脚注を読んで鐘を鳴らす。鐘を一度、間を置いてもう一度。間の長さは、車内の最後の祈祷者が息を吐くまで。市民は苦情を言わない。苦情を言うためには、時刻表が有効であることを主張する必要がある。時刻表の上に脚注が貼られている状態で、時刻表の有効性を主張することは、脚注の無効性を主張することと同義だ。脚注の無効性を主張することは、規格第七条『疑義の禁止』に違反する。
市電は停留所に二十三分間停車していた。乗客は停車中に立ったまま目を閉じ、呼吸の間隔を他の乗客と合わせていた。呼吸が合うと、車掌が鐘を鳴らす。鐘が鳴ると発車する。発車しても、次の停留所で同じことが起きる。
ジジバルバは市電には乗らなかった。第三停留所から聖務院まで歩いた。歩く速度は一歩〇・八秒。市電より速い場合がある。
聖務規格委員会3
帝都・聖務院 増設棟(本館から東へ渡り廊下十二メートル)
増設棟は規格関連業務の増大に伴い、暫定採択の四十日後に設置された。元は倉庫で、窓が二つある。机が六台、椅子が十二脚。壁に書棚があり、書棚には規格草案の各版とその脚注の束が並んでいる。書棚は三段だが、脚注の束が増えたため、二段目と三段目の間に板を一枚追加して四段にした。四段目の板は書棚の正規品ではなく、廊下の棚板を転用したものだ。
聖務規格委員会は、部屋を一つ増やすたびに脚注を十個増やした4。部屋は足りない。脚注はいつでも余る。
ジジバルバは毎朝、増設棟の机で紙を広げた。紙は湿気を含んでおり、広げるたびに縁が反った。反った紙を掌で押さえると、繊維が指腹にざらついた。規格草案は第七版になっていた。第一版は本文四条と脚注十二で構成されていた。第七版は本文四条と脚注百三十七で構成されている。本文の四条は変わっていない。変わったのは脚注だけだ。脚注だけが増えた。本文は動かず、脚注だけが動く——本文は骨格で、脚注は肉だ。骨格が同じなら、肉がいくら増えても、形式上は『同じ規格』である5。
百三十七の脚注のうち、ジジバルバが書いたものは九十四。スクロヴロッカが書いたものは二十八。残りの十五は、委員会の事務員が書いたものだ。事務員は五人の指示で脚注を書いた——最初は。途中から、事務員は指示なしで脚注を書き始めた。前の脚注のパターンを模倣すれば、次の脚注は自動的に生まれる。
ジジバルバは事務員の書いた脚注を読むとき、ペンを握る指先がわずかに痛んだ。右手の人差し指の爪の根元、前回の浄化でスクロヴロッカに剥がれ損ねた鱗の縁が、いつまでも治らない。治らないのは浄化のサイクルが肉の再生より速くなったからだ。指先の痛みは筆圧を奪う。筆圧の落ちた文字は細い。細い文字は事務員の力強い文字に埋もれる。埋もれた文字の脚注が、事務員の脚注と混ざっていく。
模倣された構文は、模倣された時点で出自を失う。事務員のペンの筆圧はジジバルバより深い。深い筆圧で書かれた脚注は、浅い筆圧で書かれた脚注の上に重なって読まれる。読まれた順が所有の順になる。所有の順が先後の順になる。先後の順が確定すると、誰が先に書いたかは参照できなくなる。参照できない筆者は、筆者ではない。
事務員が書いた十五の脚注のうち、ジジバルバが確認したのは八つだ。残りの七つは、確認する前に他の脚注から参照されていた。参照されている脚注を事後的に削除すると、参照元の脚注が無効になる。無効になった脚注を削除すると、さらにその参照元が無効になる。連鎖的な削除は、規格全体の整合性を損なう。
ジジバルバは七つの脚注を削除しなかった6。
確認漏れ7
ある朝、ジジバルバは事務員が書いた脚注のひとつを読み直していた。
脚注⑧十三——『断罪の際に弁明の時間制限を設けることの是非は、自然発生的な合意に委ねる』。確認していなかった七つのうちの一つだ。ジジバルバはペンの軸で紙の端を叩きながら、⑧十三が参照されている先を辿った。⑧十四、⑧十五。⑧十五を参照しているのが⑨十二と⑨十六。⑨十六からさらに運用細則の第四条へ。第四条から暫定採用の根拠条文へ。
ペンの軸が紙の端を叩く回数が増えた。
辿るたびに枝が広がる。一つの脚注から二つ、二つから四つ。ジジバルバは紙を裏返して参照の樹形図を描き始めたが、三段目で枝が重なり、線が交差した。交差した線は、図ではなく網だ。
彼は図を描くのをやめた。面倒だった。面倒だったのか、描き終えると困ることが見えたから手を止めたのか。どちらかは、彼自身にもはっきりしなかった。
紙を元に戻し、⑧十三のページの角を折った。角を折ることは、あとで確認するという印だ。あとで確認する印は、確認したという印ではない。だが角が折られた紙は、角が折られていない紙と見た目が異なる。異なる見た目は、何らかの処理が行われたことを示す。処理が行われたことと、処理が完了したことの差は、角の折り方だけでは判別できない8。
彼は『削除』という語を一度だけ浮かべた。浮かべただけだ。削除には手続きが要る。手続きの根拠には脚注が要る。根拠となる脚注を読むには、削除対象の脚注を読む必要がある。読まれた脚注は、未確認ではなくなる。未確認でなくなった脚注は、未確認を理由に削除できない。削除の理由を別に探すには、脚注の内容を検討する。検討には時間が要る。時間があれば、別の削除対象が発生する。
印刷所9
帝都・聖務院 裏庭 印刷工房(増設棟から南へ三十メートル)
旧軍の地図印刷所を転用した建物。一階建て、窓三つ。活版印刷機が二台、手動式摺り機が一台。植字工は四名。紙の在庫は裏手の小屋に保管されている。インクの匂いと鉛の匂いが常時漂う。
規格の印刷は、聖務院の裏庭の印刷工房で行われていた。
植字工は四名。朝八時から夕方六時まで、鉛の活字を拡大鏡の下で組み、活版印刷機に装填し、紙に刷る。刷られた紙は乾燥棚に並べられ、翌朝、事務員が回収して各所に配布する。
植字工の主任は五十代の男で、手の甲に鉛の粉塵が慢性的に付着している。指先の皮膚は硬化しており、活字の角を素手で押しても痛みを感じない。痛みを感じないことは、正確な作業に有利だ。感情が混入しない。感情が混入しない活字は、感情が混入しない事実を配列する10。
規格の第七版を印刷するとき、異変が起きた。
朝、増設棟から印刷工房に原稿が届いた。原稿は二つの封筒に分かれていた。一つ目の封筒には本文が入っているはずだった。二つ目の封筒には脚注が入っていた。
一つ目の封筒を開けると、中は空だった。
本文が届いていない。脚注だけが届いた。
植字工たちは顔を見合わせた。主任が増設棟に電話をかけた。電話は繋がらなかった——増設棟の電話は、脚注⑫の『遅延は祈祷に準ず』の適用により、通話の開始に祈祷の完了を待つ必要があったからだ。祈祷は完了しなかった。
主任は三十分待った。三十分後、判断を下した。
「本文の位置に、脚注を流し込め」
植字工たちは脚注の束を本文の位置に組み直した。本文の活字枠は空のまま、脚注の活字が本文の領域を埋めた。
刷り上がった配布用の紙は、本文がなく脚注だけで構成されていた。翌日、配布された写しを読んだ者たちは、本文がないことに気づかなかった11。
会食12
夕刻、脚注会食が増設棟の隣の部屋で開かれた。
出席者は議員二名、監督官一名、寄進家三名、司祭一名、印刷工房の主任一名。五人は出席者ではない。五人は給仕と運営だ。スクロヴロッカが三行の席次札を配り、モルドラッサが配膳の順序を指で決め、ポンプリーズカが天井裏の糸を指先で試し、グリッボロンカが壁際の柱のそばに重さを置き、ジジバルバは解読者として端に座り、膝の上で脚注の写しをめくっている。
五人は出席者ではない。五人は給仕と運営だ。ジジバルバだけは、出席者ではない席——解読者の端席——に座っていた。
モルドラッサの料理は三段の構成だった。一段目は安心のスープ。二段目は握り飯。三段目は漬物。三段のうち、寄進家だけに出される追加の一皿がある。追加の皿は外見上は同じ漬物だが、甘香の濃度が他より高い。甘香の濃度が高い食事をした者は、食後三時間のあいだ、他者の提案に対する同意率が上昇すると帳簿にはある。上昇の幅は約一二パーセント。一二パーセントは、採決の結果を変える場合がある13。
会食の席で、まだ外されていない若い視察官が小声で問うた。
「……これは、法なんですか。それとも、注釈ですか」
問いは通った。通る問いは、通るあいだだけ通る。
グリッボロンカの指が卓面を一度叩いた。音はテーブルの木に短く鳴って消えた。
スクロヴロッカが答えた。
「説明の仕方は三行に収めます。法でも注釈でも、読める方でええんです」
三行の紙は片手で持てる。片手で持てるものは、席を立たずに配れる。席を立たずに配れるものは、配る速度が速い。配る速度が速いものは、読む速度より先に届く。読む前に届いたものは、読まなくても手元にある。手元にあるものは、受け取ったものだ。受け取ったものに対して、返品の手続きは策定されていない。
孤児の糸14
夜、倉庫区。
ポンプリーズカは天井の糸を巻き取っていた。会食のあとの定例作業だ。糸は現在十九本。うち十四本は修復所と周辺集落を結ぶ常設糸で、五本は会食や審議など一時的な用途の糸だ。一時的な糸は使用後に回収する。回収しないと、翌朝の掃除で発見される。
巻き取り作業の最中に、ポンプリーズカは一本の糸が解けていることに気づいた。常設糸のうち、倉庫区の北西の梁を経由して広場に延びる糸だ。解けた位置は梁の交差点で、結び目が正規の形ではなくなっていた。
正規の結び目は、ポンプリーズカが考案した二重交差結びだ。解けていた結び目は、単純な巻き結びに変わっていた。巻き結びは二重交差結びより弱いが、張力の伝達効率は高い。効率が高いということは、結び方を知っている者がいるということだ。
ポンプリーズカは梁を見上げた。梁の影に、小さな指の跡が残っていた。指の跡は埃の上にあり、幅は大人の指より細い。
孤児の誰かが、糸の結び方を学んでいた。
学んだのは結び方だけではない。糸の張り方、振動の伝え方、結び目の位置の意味。学ばれる側になることは、傀儡師にとって最大の脆弱性だった。操る者が操られる手法を学ばれたとき、操る者と操られる者の区別は消える。区別が消えたものは、制度になる。制度は誰のものでもない15。
ポンプリーズカは解けた結び目を直さなかった。巻き結びのまま残した。巻き結びの方が効率が良いなら、直す理由がない。理由がないものは、放置される。放置されたものは、次の基準になる。
糸が一本、足元でたわんだ。たわみはポンプリーズカが張ったものではなかった。誰かが、別の方向から糸を引いていた16。
点
深夜、増設棟。
ジジバルバは灯りを落とした部屋で、紙を閉じた。規格草案の第七版。本文四条、脚注百三十七。百三十七のうち、彼が内容を正確に把握しているのは九十四。残りの四十三は、他者が書いたか、他の脚注から自動的に派生したものだ。四十三のうち七つは、彼が確認する前に参照網に組み込まれていた。
七は多くない。百三十七のうちの七だ。五パーセント。五パーセントの未確認は、九十五パーセントの確認済みで支えられている。支えられているものは、安定だ。
彼は『自然』の横に点を打った。もう何個目かは数えていなかった。数えないことは意図的だった。数えると点の総数が確定する。確定した数は記録になる。記録になった数は検証の対象になる。検証されない数だけが、増え続けることができる。
窓の外の停留所で、市電が停車していた。乗客の呼吸が合うのを待っている。
明日は、要約の配布を先にやる。ジジバルバはそう思った。審議の前に要約を配れば、審議で本文を読む必要がなくなる。本文を読む時間が省ければ、脚注を読む時間が増える。脚注を読む時間が増えれば——増えればどうなるかは、明日考える。明日考えることは、今日の仕事ではない。今日の仕事は終わった。
修復所の壁の印は、報告書上では二十六個のままだった。赤はほとんど見えなくなっている、と事務員の欄外に書かれていた。ジジバルバは、その赤を実際には見ていない。倉庫区の甘苦い金属の匂いを、彼は思い出した。聖務院の増設棟にあるのは、紙と鉛と茶の匂いだけだった。今はそれすらも日常の匂いになりつつあった。日常の匂いは、鼻が覚えない。覚えない匂いは、ない匂いと同じだ17。
次の浄化まで六日。次の奉杯祭まで二十日。再審期限まで四十日。
数字を並べると、予定になる。予定があるものは管理されている。管理されているものは安全だ。
ジジバルバは灯りを消し、紙の束を書棚の四段目——正規品ではない、廊下から転用した板の上——に載せた。
板がわずかに軋んだ。
Footnotes
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本章の構造について。本章は本文より脚注の分量が多い。この比率は意図的なものではなく、記述対象である制度の構造を反映した結果である。本文が短いのは、本文に書くべきことが少ないからではなく、書くべきことの大半が脚注に移動したからだ。移動の経緯は脚注8を参照。 ↩
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市電の脚注ダイヤについては、聖務規格委員会の第四十三回議事録に詳しい。ただし議事録の本文は三行であり、残りはすべて脚注である。議事録の脚注を読むためには、脚注を読む速度が議事の進行速度を上回る必要がある。現在、議事の進行速度が脚注の更新速度を下回っているため、議事は永続的に『継続審議中』である。 ↩
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聖務規格委員会の正式名称は『奉杯ジュース規格暫定採用版運用監視及び改善助言委員会』であるが、正式名称を使用する者はいない。正式名称が使用されないことは、略称の使用が慣例化していることを意味する。慣例化された略称は、正式名称より権威がある。権威がある名称は、短い。 ↩
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部屋と脚注の増加率の相関は偶然ではない。新しい部屋を設置するたびに、設置の根拠を脚注として追加する必要があり、根拠の脚注が新しい業務を生み、新しい業務が新しい部屋を要求する。この循環は自律的に回転しており、停止条件は設定されていない。 ↩
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本文と脚注の分量比は、第一版で1:3、第七版で1:34。比率の増加は、本文の縮小ではなく脚注の膨張による。ただし、読者が本文を読む時間と脚注を読む時間の比率もまた1:34になるため、読者の体験上、本文は全体の約3%にすぎない。3%の本文は、脚注のための見出しとして機能している。 ↩
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ジジバルバが脚注の削除を試みた記録は存在しない。削除を試みなかったのか、試みて断念したのかは不明だ。不明であることは、本文には記述されない。本文に記述されないことは、脚注にのみ記述される。この脚注が、削除を試みた記録の唯一の痕跡である。 ↩
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事務員が自律的に作成した脚注の品質管理体制については、規格のどの脚注にも規定されていない。規定されていないことは、実施されていないことを意味するが、実施されていないことは問題が発生していないことの証左でもある——問題が発生していれば、規定が作られるはずだから。問題が発生していないなら、規定は不要である。不要なものは作られない。作られないものは、存在しない。 ↩
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角を折る行為が『確認済』と『未確認』のどちらを意味するかは、折った者の意図に依存する。意図が記録されていない場合、角の折り目は意図から独立して存在する。意図から独立した記号は、読む者が意味を決める。読む者が意味を決める記号は、制度に最適化されている。 ↩ ↩2
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印刷工房の設備概要については、聖務院施設台帳の第二十三頁に記載がある。ただし施設台帳自体が脚注の増刷で手一杯の印刷工房で刷られているため、台帳の更新は三ヶ月遅れている。三ヶ月前の情報に基づく記述は、現在の事実と一致しない可能性がある。一致しない可能性があるものは、暫定的に正しいとする。 ↩
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植字工の鉛中毒に関する健康診断記録は、聖務院の健康管理部門が管轄している。ただし健康管理部門は『脚注の健康』——すなわち脚注間の整合性の監査——も兼務しており、人体の健康より脚注の健康が優先されている。人体の健康診断は『あとで』実施される予定だ。 ↩
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本文消失を最初に認知した者は、印刷工房の主任のみである。主任は認知した事実を報告しなかった。報告しなかった理由は、報告の書式が本文と脚注の二部構成になっているためだ。本文が消失したことを報告するためには、本文の欄に『本文は消失した』と記入する必要がある。『本文は消失した』という文が本文の欄に記入された場合、本文は消失していないことになる——本文の欄に文が存在するから。この矛盾を解決するための脚注は、まだ作成されていない。 ↩
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脚注会食の出席者名簿は、聖務院の公式記録に含まれない。公式記録に含まれないものは、行われなかったことと同じだ。行われなかったことと同じものが定期的に開催されていることは、矛盾ではない。矛盾は脚注で処理される。 ↩
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甘香の濃度と同意率の相関は、モルドラッサの経験的観察に基づく。経験的観察を統計的に検証するためには対照実験が必要だが、対照実験の実施には倫理審査委員会の承認が必要であり、倫理審査委員会は設置されていない。設置されていないものの承認は取得できないため、検証は不可能である。検証不可能な観察は、否定もできないため、暫定的に正しいとする。 ↩
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本節の記述は、ポンプリーズカの視点に基づく推測である。ポンプリーズカが梁の指の跡を『孤児のもの』と判断した根拠は、指の幅のみであり、孤児以外の可能性(小柄な成人、別の子ども等)は排除されていない。排除されていない可能性は、脚注の中でのみ言及される。 ↩
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『制度は誰のものでもない』という命題は、脚注王制の構造的帰結である。制度を作った者が制度に含まれ、制度を運用する者が制度に拘束される場合、制度の所有者は存在しない。所有者が存在しないものは、廃止の権限者が存在しない。廃止の権限者が存在しないものは、永続する。 ↩
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たわみの発生源は特定されていない。発生源が特定されないたわみは、システムの『ノイズ』として処理される。ただし、ノイズとシグナルの区別は、区別する者の意図に依存する。ポンプリーズカがたわみをノイズとして処理したのは、シグナルとして処理した場合の結果が、処理する前の状態より悪いからだ。悪い結果を避けるための無視は、無視ではなく判断である。 ↩
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嗅覚の順応について。同一の匂いに長時間曝露された場合、嗅覚受容体の応答が低下し、匂いを知覚しなくなる現象を嗅覚順応と呼ぶ。規格のどの脚注にも定義されていないが、定義されていないものは存在しないのではなく、まだ脚注が書かれていないだけだ。書かれていないものは、いずれ書かれる。 ↩