M.012 · MONDO-DI NOTA · 器
泡字 ほうじ
SACRA-BOLLA SCRIPT
発話不全の物理痕跡を視覚化した文字体系。音でも意味でもなく、構文圧の記録。
泡字は「語」を持たない。石板や膜面に残された記号群は、音響でも意味でもなく、構文圧(pressura syntactica)の痕跡として刻まれた。
語頭泡(glottulae incipiens)はまだ発声されないが発話の意思を帯びた記号であり、文字と音声の中間帯に配置される。階層構造(triplex bolla)や渦泡類(bolla vortica)と呼ばれる特異形は、複数構文の交差・遅延・重層を記録する。
泡字を読むことはできない。解読は「読む(legere)」ではなく「観る(spectare)」に近い振る舞いを要する。したがって泡字の前で、我々は読者ではなく、観察者として立たされる。
出土層は Dripstratum C3 以深に集中し、もっとも古い断片は後期滴殖紀まで遡る。代表資料として《Fractura Phonica》、《Scriptura Infusa》、《Resonantia Obscura》が知られる。